2週間前にインドのブルーシティの話をブログに書いた編集Uですが、いま全インド民が注目(?)しているマンガが@バンチで連載されているのをご存知でしょうか?
それが、コチラ、
『踊る! 狂気のJKカーリーちゃん』です!
カーリーちゃんとは、ヒンドゥー教における戦いの女神ですが、実は自分にとっても一番印象深いヒンドゥー教の神様でもあります。
当時、ブルーシティを後にした僕は、バラナシという場所に向かいました。バラナシとはあの有名なガンジス川沿いにある都市で、謂わば聖地。インドに訪れたのであれば絶対に外せない土地であり、ディズニーランドでいえば、「イッツ・ア・スモールワールド」くらい重要な場所です(私見です)
ガンジスのほとりでは、瞑想し祈りながら沐浴する男性、洗濯をする中年女性、友人と水浴びに興じる少年たちなど、様々な人がそれぞれの方法で川と接していました。日本の川で同じような光景をみようものなら、その地域のあまりの奔放さに慄くに違いありませんが、ガンジスにはそれらの人々を包み込むおおらかさがありました。川のほとりに腰を下ろし、頭を空っぽにして人々の営みを眺めていると、混沌とした風景でも何故かしっくりくる、不思議な魅力を感じます。全てを包み、何もかもが自然に還り、調和されていくような。そう、たとえ目の前に死体が流れていようと・・・。ん?あ、あれ?あれ、死体が流れ・・・?
そう、聖地バラナシはインドの人々が最後に還る土地。亡くなった教徒の方が運ばれ、火葬される場所でもあるのです。妊婦や赤ん坊などは、火葬されないため時折人らしきものが流れているのを目撃してしまうこともあるのですが、きっとあれは違う、なんか水遊びしてる男の子にひっかっかってる布の塊はあれはあれでこーなってそうなってからにああ手が手がはみでて・・・! ということもなくはないのです。
ちなみに、聖地での火葬は、さぞかし厳粛な雰囲気で行われているかと思いきや、布に包まれた遺体を屈強な男たちが火葬場まで運ぶさまはさながら日本の神輿。厳粛どころか現場はまさに鉄火場状態で、火葬現場もキャンプファイヤーに近い妙な明るさがありました。まさに生と死が混在する街。おおらかな雰囲気もそこらへんから来ているのかもしれません。
そんな様子を眺めながら、川のほとりでぼーっとしていると、ボロ布をまとった一人の老人が近づいてきました。見た目は文明人というよりむしろターザンに近いくらいなのですが、彼はバラモンといわれる司祭階級の人間で現地では尊敬を集める人でもあります。彼らとの遭遇は初めてではなかったのですが、彼は、一言も発さず何かを身振り手振りで伝えようとしてきました。なるほど、彼は言葉を発せないのかとすぐに思い至りました。インドでは、そういった方々と出会う機会が非常に多く、珍しいことではないのですが、さすがに言葉が通じないと何を言いたいのかがわからず歯痒い気持ちになります。そんなこんなで15分くらい意思の疎通のためにお互い身振り手振りで頑張っていたのですが、実らず。すると老人は、ふぅ~とため息をつき、流暢な英語で、
「お前は日本人か?」
と尋ねてきました。って喋れるんかい!!!
今までのくだりは何だったんだ、と思ったのですが、自分は修行僧で、今は言葉を発さないという修行中なのだと説明してくれました。いやいや喋っちゃだめじゃん!とつっこむと、
「今日喋った分は明日喋らなければ良い」
と、「今日食べた分は明日食べなければ良い」というダイエット中のOLみたいな言い訳をしていました。修行まで緩すぎるぞバラナシ。そんなお茶目な彼が信奉している神がカーリーだったのです!(前置きが長すぎてすみません)人によって信奉する神が違うそうなのですが、よりによって彼が信奉している神が、
こんなので、
こんなだったりするわけです。なんておおらかなんだ!
そんなおおらかさと狂気を感じられる本作の試し読みはコチラからどうぞ!
https://www.comicbunch.com/manga/wed/kalichan/